2008-02-01から1ヶ月間の記事一覧

『愛の続き』イアン・マキューアン【3】

この小説は、情報を小出しにして先の展開への期待を煽るのが巧いですね。そのせいで、ぐいぐい読んじゃう。「物語」の語り口としては、とてもよくできている。 ただそこで気になるのは、やっぱり最初の「三百フィート上空からぼくらが見える」というアレです…

『愛の続き』イアン・マキューアン【2】

前回の最後に、「端正な文章で適度に読みやすい」って書いたんですが、この語り手である「ぼく=ジョー」の職業は、どうやらライターのようです。なるほど言われてみれば、「書く人」の自意識みたいなものがチラチラする文章かもしれません。 ということで、…

『愛の続き』イアン・マキューアン【1】

再開したと思ったら、勢いづいてけっこうな頻度で更新してます。この勢いをあまり落とさないように、今回は読みやすそうな本にしました。 『愛の続き』イアン・マキューアン です。 新潮文庫で370ページ程度。ボリュームも苦にならないほどだし、再開2冊目…

『フェルディドゥルケ』ヴィトルド・ゴンブローヴィッチ【7】

長らく中断したものの、うーん、読んでよかった。読めてよかった。 やっぱりポイントは、物語のど真ん中に出てくる「フルーツ・ポンチ」でしょう。あそこで、僕のエンジンが一気に動き出しました。「おお、そういうことがやりたかったのか!」ってのが、見え…

『フェルディドゥルケ』ヴィトルド・ゴンブローヴィッチ【6】

ページをめくるのが止められなくて、ついに読み終えてしました。あの10ヶ月の中断は何だったんでしょうね。もう細かくストーリーは追いませんが、11〜14章、約150ページ分をだだっといきます。 まず、ここへ来てまたしても、短い話とその前書きが挿入されま…

『フェルディドゥルケ』ヴィトルド・ゴンブローヴィッチ【5】

おおっ、転調。こりゃ、面白い! この小説半ばの第8章で、そう言いたくなるような展開がありました。必ずしも読みやすいとは言えないぐだぐだした一人語りが、ここへ来てググっと動き出します。よっ、待ってました。 ということで、今回は8〜10章まで一気…

『フェルディドゥルケ』ヴィトルド・ゴンブローヴィッチ【4】

前章の挿話を経て、また本編に戻ります。と言っても、それほど読みやすくなるわけじゃありません。やっぱり要領を得ない一人語り。まあ、じっくり行きましょう。 「6 誘惑 そして ひきつづく若さの呪縛」の章。教室にピンコが現れた、その続きから。 ピンコ…

『フェルディドゥルケ』ヴィトルド・ゴンブローヴィッチ【3】

読みづらい章に入っちゃって、わけわからんなあなんて思ってるうちに、10ヶ月が過ぎてしまいました。間、あきすぎ! でも休憩を挟んで読み返してみたら、わからないなりに、面白いんじゃないかと思えてきました。この調子なら読めるかも。ということで、第4…

またはじめます

もう、こんなブログがあったことを皆さん忘れてるでしょうね。 僕も忘れてた。 そうそう、『フェルディドゥルケ』でした。何かややこしい章に入ったところで、忙しかったり体調壊したりで、読む気力が続かなくなっちゃって、書く気力もなくなっちゃって、ほ…