2014-01-01から1年間の記事一覧

『名もなき人たちのテーブル』マイケル・オンダーチェ【4】

小学生くらいの頃かな、「子供会」のキャンプ的なものに何度か参加したことがあります。親と離れて、数名の引率の大人と十数人の子供たちが一週間程度キャンプをする。親が勝手に予約してくるんですが、人見知りな子供だった僕はこれがイヤだったんですよ。…

『名もなき人たちのテーブル』マイケル・オンダーチェ【3】

読み終えてしまいました。第43章以降、急激にミステリー的な展開を見せはじめ、その興味に引っ張られてぐいぐいぐいと。とは言うものの、謎が解決してめでたしめでたしというわけではなく、人生って何だろうというような深い余韻が残ります。 でもその前に、…

『名もなき人たちのテーブル』マイケル・オンダーチェ【2】

前回までのあらすじ、のかわりに前回ささっと通り過ぎちゃった第20章から引用しておきます。客船に乗り込んだ少年たちの日々は、こんな具合だったと。 この船で繰り広げられる日常を把握したいなら、もっとも間違いのない方法は、時間の流れに従って行き来す…

『名もなき人たちのテーブル』マイケル・オンダーチェ【1】

半分まで読んだあたりで忙しくて進まなくなっちゃってたんですが、これじゃああかんと思い、読んでる途中で書いてみることにしました。 今回は、装丁がきれいで思わず手に取ってしまったこれ。 『名もなき人たちのテーブル』マイケル・オンダーチェ です。 …

『もうひとつの街』ミハル・アイヴァス

読み始めたのは去年の春頃。読んでる途中で書こうかなあと思ってたんですが、次々と繰り出されるあまりにシュールで濃密なイメージに、頭がついていけずしばらく放置しちゃってたんですよ。ところが先日、えらく寒い日に読み返してみたら、舞台となる雪のプ…