2006-06-01から1ヶ月間の記事一覧

予告

それにしても、『酒国』めぐりは長かった。 ということで、次回は、アヴラム・デイヴィッドスンの短編集『どんがらがん』を読むことにしました。 これは、河出書房から出ている「奇想コレクション」という、魅力的なシリーズの1冊。奇想…。どのくらいぶっと…

『酒国』莫言 【13】

読み終えるまで、ずいぶんと時間がかかりましたが、ヒジョーに面白かった。莫言は、「中国のガルシア・マルケス」なんて言われてるらしいけど、文体の饒舌さはむしろ筒井康隆あたりを連想しました。いや、過剰なのは文体だけでありません。4つのパートが絡…

『酒国』莫言 【12】

ようやく読み終えました。 「第九章」では、莫言が酒国入りする日も近づいてきて、書簡のやりとりも熱を帯びてきます。李くんの小説は、「酒城」というタイトル。酒国市の歴史をひも解くような内容です。そして、丁鈎児(ティン・コウアル)は…。これは言わ…

『酒国』莫言 【11】

「第八章」、そろそろ終幕に向かいます。なので、ここはさくさく行っちゃいましょう。 今回は、「莫パート」「李パート」から始まります。莫言先生は、酒国市で行われる「第1回猿酒祭」の期日に合わせて、酒国市入りするつもりのようです。 そして、「小説…

『酒国』莫言 【10】

では、「第七章」、行きましょう。 「丁パート」。女性運転手が、一尺酒楼の小人、余一尺(ユイ・イーチー)と寝ていたという事実にショックを受けた丁鈎児(ティン・コウアル)は、女をなじります。ところが、その言葉に女は逆に逆上し、「自分は何だと思っ…

『酒国』莫言 【9】

こんなはずじゃあなかったんですが、更新、ずいぶん間があいてしまいました。忙しくて、読むのも書くのもできなかった。ということで、忘れちゃってる人のために、ざっと、ここまでの話をおさらいしておきます。 まず、この小説は4つのパートに分かれていま…