2006-10-01から1ヶ月間の記事一覧

『ガラテイア2.2』リチャード・パワーズ【11】

これまで2/3くらいまで読み終えましたが、もう、ストーリーをちまちま要約するのはやめてもいいでしょう。びゅんびゅん、とばしていきます。 ヘレンはどんどん成長していきます。彼女の発する言葉ひとつひとつが、驚きです。「わたしはどこから生まれたの?…

『ガラテイア2.2』リチャード・パワーズ【10】

「僕」が物理学の道を捨て、文学を志すことになったのは、恩師テイラーとの出会いがきっかけでした。テイラーは、知的で洞察力にすれた文学の教授です。「僕」は彼を、「ユーモアと謙虚さを持ち合わせていなければ、大の人間嫌いになっていたかもしれない」…

『ガラテイア2.2』リチャード・パワーズ【9】

またちょっと間が空いちゃったので、今回は、どんどんいきましょう。 まずは、レンツが「僕」を妻に会わせるシーンから。 冬の浜辺で寄り添い合っていたカップルに何が起きたのか? レンツの妻、オードリーは、とある療養所にいます。「僕」はレンツに連れら…

『ガラテイア2.2』リチャード・パワーズ【8】

この小説では、固有名詞を記号化した書き方がされているので、慣れるまではちょっとややこしい。「僕」の元カノジョの名前は「C」としか表記されません。そして、「僕」とCが暮らした街も、「U」「B」「E」とアルファベットで表記されます。さらに、人…

『ガラテイア2.2』リチャード・パワーズ【7】

さて、人工知能マシンはどうなったんでしょうか? ということで、続きです。 A号機のメモリーを減らしたB号機は、「計算言語学」とも言うべき能力を得ます。つまり、論理的な構文に強い。しかし、それを外れるともうダメです。何も答えられなくなる。「セ…