2012-10-01から1ヶ月間の記事一覧

『あまりにも騒がしい孤独』ボフミル・フラバル【4】

すっかり慣れてしまった悪夢、そんな感じがする小説でした。フラバルのタッチは決してリアリズムではありませんが、これ見よがしなぶっ飛んだ奇想で押してくるようなタイプでもありません。ゴミ、下水、糞便などなど、汚物まみれの世界を描きながら、それが…

『あまりにも騒がしい孤独』ボフミル・フラバル【3】

読み終えました。おおすごい、すごい。「6」〜「8」章。地下室で鬱々としながらも気ままにやっていたハニチャの物語がここで大きく動くんですが、そこからの展開は読み応えがあります。面白いよ。 「6」の章。 ハニチャはある日、彼の地下室にある機械と…

『あまりにも騒がしい孤独』ボフミル・フラバル【2】

どうもこの作品は、語り手であるハニチャひたすら自分語りをするというスタイルで書かれているようです。ハニチャの目を通して描かれる世界は、どこかグロテスクに歪んでいる。今回読んだあたりには、そんな場面が頻出します。 では、続きです。 「3」の章。…

『あまりにも騒がしい孤独』ボフミル・フラバル【1】

ボスニアの次はチェコスロバキアにいきましょう。バルカン半島からぐぐっと内陸部へ。この国もまた複雑な政治状況を抱えてきた歴史があるんですが、そういう国の小説を読みたい気分なんですよ。 ということで、今回はこれ。 『あまりにも騒がしい孤独』ボフ…