2010-12-01から1ヶ月間の記事一覧

『メイスン&ディクスン』トマス・ピンチョン【3】

博学英国犬の登場シーンもそうだったし、前回もチラッと書きましたが、この小説、ところどころで登場人物たちがいきなり歌い出すんですよ。言わば読むミュージカル。これが唐突で、可笑しいんですよ。トボケてるというか、ノンシャランとした味わいがある。 …

『メイスン&ディクスン』トマス・ピンチョン【2】

柴田元幸による擬古文の訳文ですが、漢字で表せるものはできるだけ漢字にする、という方針のようです。「費府」は「フィラデルフィア」、「蘇門答剌」は「スマトラ」とルビが振られています。さらには、「戦斧」は「トマホーク」、「堅麺麭」は「ビスケット…

『メイスン&ディクスン』トマス・ピンチョン【1】

メガノベルっていうのかな。質量共に分厚い小説を、このブログでは積極的に読んでいこうと思っていたんですが、ここのところ短編集が続いちゃってました。なので、予告した通り、久々に大長編いきますよ。 ということで、上下巻のこれ。 『メイスン&ディク…

予告

今年から、新潮社で「トマス・ピンチョン全小説」という全集シリーズの刊行が始まりました。ピンチョンは、僕の「いずれちゃんと読んでみたい作家リスト」の上位にランクしている作家です。ただ一方で、分厚い&難解というイメージからなかなか手に取りづら…