2008-04-01から1ヶ月間の記事一覧

『バーナム博物館』スティーヴン・ミルハウザー【6】

『バーナム博物館』の収録作品は大きく2種類に分けられると思います。 物語に関する物語…「シンバッド第八の航海」「アリスは、落ちながら」「探偵ゲーム」「バーナム博物館」「クラシック・コミックス #1」 濃密な幻想小説…「ロバート・ヘレンディーンの…

『バーナム博物館』スティーヴン・ミルハウザー【5】

『バーナム博物館』、最後の3編、ちゃっちゃかいきます。 「クラシック・コミックス #1」 T・S・エリオットの詩をマンガ化し、それをひとコマひとコマ文章で表現するっていう、何というか「絵に描いたような」実験小説。以前、読んだときはさっぱりわか…

『バーナム博物館』スティーヴン・ミルハウザー【4】

「セピア色の絵葉書」 主人公は一人旅をしている男。彼は、訪れた村で「プラムショー稀書店」という店にふらりと立ち寄ります。 ウィンドウには雑然と、いろんな品が一緒くたに並んでいた。フープを転がす少年の絵が載った児童書がこちらにあるかと思えば、…

『バーナム博物館』スティーヴン・ミルハウザー【3】

「探偵ゲーム」 これは、この短編集の中で、最も長い作品。「シンバッド第八の航海」や「アリスは、落ちながら」同様、短い章がいくつも続くスタイルで綴られています。ちなみに、「探偵ゲーム」とは、「クルー」っていう実在するボードゲームのこと。僕はよ…

『バーナム博物館』スティーヴン・ミルハウザー【2】

この短編集、収録作の長さがまちまち。「シンバッド第八の航海」はそこそこ長めの短編だったんですが、今回は、短めの小品も含め3編分いきます。ただし、短いからってあっさり読めるとは限らないのがミルハウザー。 「ロバート・ヘレンディーンの発明」 主…