2007-04-01から1ヶ月間の記事一覧
70年前のポーランドで書かれたこの小説ですが、30過ぎても自分が大人だという実感を持てない主人公ユーゼフは、現代の僕らにとても近しい存在のように思えます。無為な日々を過ごし、らちもないことをうだうだと考える。自らを「青二才」としながらも、反抗…
あまり間を空けずに、次の本を。 『フェルディドゥルケ』ヴィトルド・ゴンブローヴィッチ です。 何だか、濁点だらけで舌を噛みそうなタイトルと作家名ですね。ゴンブローヴィッチは、ポーランドの作家・劇作家。本作は1938年の作品だとか。帯に「永遠の青二…
僕は、小説にワンダーを求めているところがあって、自分が思いつかないような発想で書かれていたりするとうれしくなるタチなんですよ。その意味で、この『スペシャリストの帽子』は、大満足です。「木の鼻をした父親」とか、「靴博物館に棲んでいる独裁者の…
では、最後の2話いきます。 「ルイーズのゴースト」 「ねえ、ルイーズ」と片方の女が呼びかける。 「なあに、ルイーズ」ともう一人の女が答える。 二人はキスを交わす。 始まってすぐに登場するこの会話に、おやっと思います。二人の女、二人のルイーズ。彼…