2012-11-01から1ヶ月間の記事一覧

『青い脂』ウラジーミル・ソローキン【6】

いやあ、凄かった。弩級とか破格とか、そういうレベル。莫言やレイナルド・アレナス、ヴィトルド・ゴンブローヴィッチなんかにも通じる過剰さ。「やりすぎ文学」と呼びたいです。 物語は全体で3つのパートに分かれています。最初のパートは、2068年、遺伝子…

『青い脂』ウラジーミル・ソローキン【5】

読み終わりました。いやあ、ラストスパートはすごかった。もうどこまで行っちゃうのーって感じで、怒濤の展開。脳みそが爆発しそうになります。 ほいじゃ、いくぜ! まずは、スターリンとフルチショフのシーンから。場面がフルチショフのベッドルームに移っ…

『青い脂』ウラジーミル・ソローキン【4】

タイムマシンで1954年へ。ということで、ここでまた場面が変わります。そうすると、前回までの情報が後出しで更新される。どうやら、遺伝子研や大地交者合教団のパートは2068年の出来事だということがわかります。さらに読み進めると、この作品が歴史改変も…

『青い脂』ウラジーミル・ソローキン【3】

おっと、ここで転調。あの読みづらい書簡形式でずっといくのかと思いきや、文体が突如三人称にスイッチします。でも、終わってしまえばあの文体が妙に恋しく思えてきたりして。 あ、あと、前々回、ボリスの職業を言語学者と書きましたが、実際は「生命文学者…

『青い脂』ウラジーミル・ソローキン【2】

前回、設定まわりをざーっとさらっておいたので、今回はするするいけるかなと思ったら、とんでもなかった。さらに新たな仕掛けが登場。ボリスの手紙に、文豪クローンたちが執筆した作品が挿入されるという展開に。これがまた奇っ怪なものばかりで、今回はそ…

『青い脂』ウラジーミル・ソローキン【1】

読書モードになってるんで、どんどんいっちゃおうかな。チェコの次はロシアだろ。どうせならすごそうなヤツを読みたいな、ということでチョイスしました。今回は、最近出たばかりのほやほやの新刊。ガイブン界隈では結構話題になってる小説、 『青い脂』ウラ…

読み終えたけど

ここ3週間ネットがつながらなくなっちゃってたんですが、こういうときに限って「読んでる途中で書いてみる」をやってみたくなるような超絶面白本を読んでしまいました。なので、あとでアップしようと思って書き溜めていたものを、何日かに分けて順にアップ…