2006-07-01から1ヶ月間の記事一覧

『どんがらがん』アヴラム・デイヴィッドスン【3】

今回読んだ短編は、短い中にぎゅぎゅっと深い世界が詰まっていて、面白かったです。どれも僕好み。 「尾をつながれた王族」 彼はみんなのところへ水を運んできた。ひとりずつ順々に。 「この水はおいしいわ、一つ目」お母様のひとりがいった。「とてもおいし…

『どんがらがん』アヴラム・デイヴィッドスン【2】

前回書き忘れてましたが、デイヴィッドスンはアメリカ人作家です。チラチラ見える異国趣味や人種問題に対する関心は、アメリカ人であることを逆から照らすようなものじゃないかなという気もしますが、どうなんでしょう。 ということで、続きを。 「さもなく…

『どんがらがん』アヴラム・デイヴィッドスン【1】

「奇妙な味」と評される短編群があります。ジャンルはミステリ、SF、ファンタジー、ホラー、もしくはその近辺ってことになるのかな。まあ、無理矢理ひとことで言っちゃえば「不思議なお話」ってことです。僕は、昔からこの手の話が好きなんですよ。 という…