『ダーク・タワー III ―荒地―』スティーヴン・キング【1】
シリーズ第3部、
『ダーク・タワー III ―荒地―』スティーヴン・キング
にいきたいと思います。
今回も上下巻。『運命の三人』より、ぶ厚い2冊になってます。
では、例によって目次から。
第一部 ジェイク――一つかみの骨灰の中の恐怖
第一章 クマと骨
第二章 鍵と薔薇
第三章 ドアと妖魔
第二部 ラド――壊れた偶像の山
第四章 町と〈カ・テット〉
第五章 橋と都市
第六章 謎と荒地
まず、「ジェイク」ってのに、おおっと思います。シリーズ第1作で、ガンスリンガーが見殺しにした少年の名前が、ジェイク。てことは、ジェイク再登場ってことですよね、きっと。ジェイクは死ぬとき、こんなことを言っていました。「じゃあ、行きなよ。ぼくはここで死んでも、また別の世界がいくらでもあるから」。意味ありげなこの言葉が、ここで生きてきそうです。
もう一つ、目につくのは各章のタイトルが「○○と××」となっていること。さらに、全体の構成が2部に分かれている。前作で重要だった数字が「3」だとすれば、今回は「2」でしょうか。
さらに、物語が始まる前に、三つのエピグラフが置かれています。その中の一つが、T・S・エリオットの「荒地」という詩の一部。これ、有名な詩ですよね。僕は読んだことありませんが、海外の小説を読んでいるとちょくちょく言及される。まあ、『荒地』という題の小説で、T・S・エリオットを引用するのはベタですが、こんな不吉な一節が引かれているのが気になります。
そうすれば、朝に君のうしろから大股で歩く君の影でもなく、
夕方君を迎えに出てくる君の影でもない、
或る違ったものを見せよう
一つかみの骨灰で死の恐怖を見せてやろう
というところで、今日はイントロまで。それにしても、毎度、物語が始まる前、扉に書かれている「19」という数字は何なんでしょうね。さらにそのあと、扉には「救出」とありますが…。